アトピー性皮膚炎治療のガイドラインは、厚生労働省の研究班によるものと、日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎治療ガイドライン作成委員会によるものの、2つが存在します。
アトピー性皮膚炎治療のガイドラインは、疾患の基本概念に基づく正しい診断のもとに、皮膚症状の重症度を的確に判断し、悪化因子を検索するとともに、適切な薬物治療やスキンケアを行っていくことが基本となっています。
個々の医師はこれらの考え方を十分に理解した上で、患者さんやその家族とのコミュニケーションを良好に保ちながら、協力し合って治療を進めなければなりません。
しかし、まだまだステロイド外用剤使用の是非や、数多くの民間療法との付き合い方など、解決すべき問題点はたくさん残されています。
まずは、それぞれの患者さんが、医師のアドバイスのもとに自分の悪化因子を見定め、どう対処していくのかを考えていくことが出発点なのです。
長い道のりかもしれないが、決して悲観せず、地道な努力の積み重ねによってアトピー性皮膚炎を克服していかなければなりません。
日本皮膚科学会から提唱されたアトピー性皮膚炎の定義は
「アトピ≠主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」となっています。
ちょっと分かりにくい表現なので解説すると、
「アトピ≠主な症状とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と言うことになります。
アトピー素因というのは、@家族暦・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎などの疾患)AIGE抗体を産生しやすい素因、と説明されています。
特に最近では、表皮角質層のバリア機能の異常が注目されています。
皮膚の一番表面の角質層はセラミドを主とした細胞間脂質が水分の保持に中心的な役割を果たしているのですが、アトピー性のカサカサ肌ではこのセラミドをつくる力が弱く、その結果角質層内に十分に水分を溜めて置くことができなくなることが分かっています。
アトピー性カサカサ肌は、さまざまな刺激、あるいはアレルゲンの侵入により、健常な皮膚に比べて大変痒みを起こしやすい状態になっています。
そこで、痒くなる→掻く→さらに痒くなる、と言う悪循環に陥ってしまうのです。
アレルギ£nがあります。
しかし、角質層のバリア機能の低下は多かれ少なかれ症状の成立に関与しているのです。
ただ、痒みを起こす原因は人によりさまざまで、汗や衣類などによる刺激や、ダニ・ほこりなどのアレルゲン、さらには心理的な痒み(ストレス)による掻破行動も、大人の場合には重要視されています。